卒業生が語るテックキャンプのリアル
2021年6月にテックキャンプに入会、2022年1月にエンジニア転職に成功し、卒業した私がテックキャンプを受講した感想を忖度なくお伝えしようと思います。
エンジニア転職するためにテックキャンプを利用しようか悩んでいる方、独学にしようかスクールにしようか悩んでいる方の参考にしていただけると幸いです。
テックキャンプの特徴
テックキャンプは未経験者に特化したプログラミングスクールです。
カリキュラムを進めていくことで、簡単なWebアプリケーションを一通り作成できる基礎を学ぶことができます。
エラーでつまずいたり、わからなくなった時にはメンターへ何度でも質問することができます。
日中(11:00〜22:00)は質問をすればすぐにオンラインで画面を共有しつつ対応してくれますし、時間外でもチャットで質問を投げておけば翌日の時間内に回答がもらえます。
受講プランなど他にもいろいろ書こうかと思ったのですが詳しくはテックキャンプのHPをご覧ください。
このブログでは体験談を紹介します。
カリキュラム構成
テックキャンプではRubyでの開発に特化した独自のカリキュラムがあります。
カリキュラムはとても良くできていて分かりやすいです。
基礎カリキュラム
- HTML、CSS
- Linuxコマンド
- Ruby(基礎文法)
- Ruby on Rails(簡単な投稿アプリ)
応用カリキュラム
- Ruby on Rails(ツイートアプリ)
- GitHub入門
- RSpec(テストコード)
- Ruby on Rails(チャットアプリ:HTML、CSS + 応用カリキュラムまとめ)
発展カリキュラム
- JavaScript
- Ruby on Rails(非同期通信)
- デプロイ(Heroku)
- Ruby on Rails(プロトタイプ)
- 必須ではないが有益な課題図書(セキュリティ、SQL、開発体制、ネットワーク基礎)
最終課題
- フリマアプリの作成
達成要件が決められたアプリを設計から作成していきます。
デザインは作られているのでHTML、CSSは書きませんが、それ以外のカリキュラムで学んだ技術で作成し、issueでタスクを管理、プルリクエストを作成してメンターからレビューを受けます。
フリマアプリが完成すればそれをポートフォリオとして使用しても良いのですが、「テックキャンプのカリキュラムで作成した感」が満載なので、自分でオリジナルアプリを作成していくことになります。
カリキュラム終了後
オリジナルアプリを作成しつつ、転職活動に移っていきます。
テックキャンプのメリット・デメリット
あえてデメリットから先に書きます。
デメリット
1. 高額
受講料が非常に高いです。
3ヶ月の短期集中プランで約65万円※。
6ヶ月の夜間休日プランで約87万円※。
※いずれも執筆日(2022.3.28)現在。
他のプログラミングスクールと比べても非常に高額です。
ただし給付金制度が適用されれば受講料の最大70%が支給されるそうなので、これが受けられればかなりアツいです!
ちなみに私は公務員からの転職だったので対象外となるようでした。
給付金の対象かどうかはテックキャンプのHPから(あくまで目安ですが)確認できます。
受講料の最大70%を支給 専門実践教育訓練給付制度|テックキャンプ エンジニア転職
2. オリジナルアプリがサポート対象外
カリキュラム以外の質問はメンターにすることができません。
「転職活動を行う前に最終課題のアプリ以外にオリジナルアプリを作成しましょう。」
と勧められるのですが、
「オリジナルアプリに対する質問はサポート対象外なので、teratailやMENTAを活用しましょう。」
と言われてしまいます。
カリキュラムの内容と関連付けて質問してみても、オリジナルアプリのところだけは頑なに対応してもらえません。
サポート対象外ということは入会前からわかってはいましたが、プログラミング初心者にとってこのハードルはかなり高く、結局MENTAで契約して月々5,000円※を追加で支払うことになりました。
※MENTAの価格はメンターや内容によって異なります。
3. メンターの技術力に差がある
これはメンターの方によって違うのは当然だと思うのですが、明らかに実務経験が短いor実務経験が無いのだろうなと思われる方もおられました。
質問した内容にメンターの方が悩んでも答えられないとなると、メンターの方の映像がオフになり、こちらのPCをリモートで操作しながらおそらく画面の向こうでより詳しいメンターの方に聞いているのだろうなという状況になります。
その後メンターの方が戻ってこられて説明してくれるのですが、理解が浅いまま教えてくれてるのだろうなと感じることもあったので、できれば詳しい人の解説を一緒に聞きたかったなと思う場面がありました。
そんな感じで質問してから1時間ほど待ったままみたいなことが何度かありました。
おそらく、「オンラインで質問してその場で解決します」みたいなモットーがあるようなので、わからないなら一度切ってからあとで繋いで欲しかったなというのが率直な意見です。(そもそも教わっているので偉そうに言える立場ではないのですが...)
こういう経緯もあってカリキュラム以外の質問は対象外なのかなと思っています。
4. 関西の転職に不向き
まず、言語がRuby以外選択できません。
関西ではRubyの求人が少ないので、求人の多いPHPやJavaの言語を学んでいる方が転職に有利です。
また、テックキャンプ経由の求人も紹介してもらえるのですが、関西で年齢も高いということもあってか、私の場合は3社しか紹介してもらえず、どれも開発経験が積めない内容だったため応募することもありませんでした。
ただ、Ruby以外選択できないというデメリット自体はほんの少しかなと思います。
私は結果的にWantedly経由で転職できたのですが、Rubyを扱っている企業ではなかったですし、未経験はポテンシャル採用の傾向が強いのでそこまで言語にこだわる必要もないのかなとは思います。(募集が多い言語を学んでいるに越したことはないですが。)
それにRuby自体は直感的に記載することができるので挫折率も減り、初心者が覚えるのに適した言語だと思います。
5. Gitの操作がコマンドではない
GitHubを使った共同開発のためのカリキュラムがありますが、Gitの操作がコマンドではなくGitHub Desktopで操作する内容です。
実務に就く前にコマンド操作もある程度習得していかないといけないので、カリキュラムとは別で学習していかないといけません。
メリット
1. 優秀なライフコーチが学習進捗を管理
テックキャンプに入会すると担当のライフコーチがサポートしてくれます。
定期的に面談があり、学習の進捗から一緒に目標を考えてくれて、学習のアドバイスやモチベーションを維持してくれます。
私の担当をしてくださった方が特別優秀だった可能性もありますが、ライフコーチのおかげで挫けることなく順調に学習を進めることができたと思っています。
2. 優秀なキャリアアドバイザーが転職支援
カリキュラムが終盤(または終了後)になると、担当のキャリアアドバイザーが履歴書の添削や面接対策をしてくれます。
特に感動したのがWantedlyのプロフィール添削です。
Wantedlyのプロフィールを自分である程度作成して応募を進めていたのですが、キャリアアドバイザーの添削後は企業からの反応が倍ぐらい増えました。
面接対策として模擬面接や、自己分析も一緒にしてくれます。
すごく的確に自分の長所や強みを言語化してもらえるので、代わりに面接を受けてもらいたいと思っていました。笑
転職活動用のスプレッドシートを貰えるのも良かったです。
企業の選考管理や就活スケジュール、面接アウトプットリストなどで就活状況をまとめることができ、キャリアアドバイザーと共有することができます。
3. Slackでのやりとりが体験できる
IT業界ではコミュニケーションツールとしてSlackを導入している企業が多く、それをスクールで体験できたのは良かったです。
ライフコーチやキャリアアドバイザー、同期との連絡手段は全てSlackを使いますので、自然と身につけることができました。
4. Twitterを始めるきっかけに
これは完全に個人的なメリットで、「Twitterで発信しよう!」というカリキュラムからTwitterを利用するようになったのですが、Twitter始めて本当に良かったと思っています。
有益な情報で溢れていますし、エンジニアの方々と繋がることもできる最強のツールだと思っています。
テックキャンプのカリキュラムになければ一生利用しなかったかもしれません。
結局のところテックキャンプってどうなの?
正直なところ万人にオススメできるものではありません。
なにせ非常に高額なので。
どんな人にオススメかというと、
- 30代で転職まで時間がなく、最短でエンジニア転職したい
- 独学で習得できる自信がない
- 高額でも大丈夫
- 給付金が適用される
これらに該当する方は受講を検討しても良いのではないでしょうか。
逆に若くて時間のある方などは、独学や他のスクールを検討してもいいと思います。
Twitterを活用したり、勉強会に参加して現役エンジニアと繋がることから始めてみるのもアリだと思います。
かなり厳しめに書いてしまいましたが、テックキャンプを選んで良かったと思っています。
エンジニア転職できたのもテックキャンプのおかげなので本当に感謝しています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事がエンジニア志望の方のお役に立てば幸いです。